ニキビの発生メカニズムと原因
お肌タイプを問わず、ニキビは誰しも一度は経験したことのあるお肌トラブルの代表格。
そして、20代以降にできる「大人ニキビ」のほうが治りにくく、跡が残りやすい傾向があります。
ニキビができるメカニズムと原因を確認して、正しいケアに活かしましょう。
ニキビができるメカニズム
STEP1
古い角質が毛穴の周囲に溜まり、毛穴が狭くなったりふさがれてしまう。(詰まり毛穴)
STEP2
ふさがれてしまった毛穴の中では皮脂腺から分泌された皮脂が充満。それを栄養源にアクネ菌が過剰繁殖して、毛穴内部で炎症がはじまります。
STEP3
炎症を鎮火すべく、今度は毛穴の内部や周囲に白血球が発生して、増殖したアクネ菌を攻撃。
STEP4
炎症が進行すると、最後に陥没したニキビ跡となって残ってしまうことも…
・アクネ菌
アクネ菌の殺菌がニキビ対策という考えもありますが、アクネ菌はもともと肌の常在菌として通常はお肌表面のバランスを正常な状態に保つ働きを担っているため、すべて殺菌してしまうわけにはいきません。
ニキビの原因
ニキビの発生は古い角質が毛穴を狭め(ふさぎ)、閉鎖された毛穴のなかで分泌される皮脂を元にアクネ菌が繁殖して炎症を起こすメカニズムですが、その原因は実にさまざまです。
結局のところ、ニキビはお肌の状態が乱れることが原因なのですが、皮脂分泌の多い体質や、余分な皮脂を落とさない間違った洗顔のほか、お肌のターンオーバーを乱す不規則な生活習慣やストレスなど、およそ体内のホルモンバランスや免疫低下につながることはほとんどニキビの原因になるため、ニキビの発生原因の特定はそう簡単ではありません。
ニキビはスキンケアだけでは改善できないこともありますので、特に慢性化したニキビは皮膚科の受診が最善です。
ストレス
ストレスは体内の栄養バランスを狂わせる原因ですが、その理由はストレスを受けた際には大量のビタミンCが消費されてしまうから。ビタミンCの不足はお肌の状態が不安定になることにつながります。
睡眠不足
脳が休む睡眠中には、血液が体全体を駆け巡ってお肌や体内へ栄養を届け修復作業が行われています。体内の修復に要する時間はおよそ約6時間といわれていますので、最低でも毎日6時間の睡眠は確保したいところ。毎日決まった時間に決まった睡眠をとる規則正しいサイクルを心掛けましょう。
乾燥
特に混合肌タイプの場合、乾燥は皮脂を過剰分泌してお肌を守ろうとするインナードライを引き起こす場合があります。
過剰に分泌された皮脂は角質とあわさって毛穴詰まりを引き起こしやすくなるため、ニキビが発生しやすい状態ができやすくなります。
偏食・運動不足
栄養バランスが悪い食生活や運動不足も、体内バランスを狂わせてお肌のターンオーバーを乱す原因です。また適度な運動やバランスの取れた食事を心掛けるだけではなく、カフェインなどの刺激物た糖分の取りすぎも過剰な皮脂分泌を招く要因です。
鉄分不足
特に月経によって女性は不足しがちな鉄分ですが、鉄は血液中の赤血球に含まれ、体内のすみずみまで酸素を送り届ける大切な役割を担っています。
鉄分不足はニキビ肌の方に多いのですが、口の周りにニキビができる方は鉄分不足の可能性大。
レバーなど鉄分の多い食材を意識して接種しましょう。
大人ニキビ
20代以降にできる「大人ニキビ」は10代のニキビとは異なる大きな特徴がふたつあります。
ひとつは、発生部位が異なること。大人ニキビは特にあごの周辺に発生しやすいのですが、同時に治りにくく、跡が残りやすい特徴があります。
洗顔時にはすすぎ残しがちなUゾーンのすすぎを意識して行い、予防に努めましょう。
そして、もうひとつの特徴は睡眠不足やストレスで悪化しやすいこと。
近年は趣味や仕事の多様化により、就寝時間の乱れや睡眠時間の低下を招きやすくなっていますが、規則正しい就寝時間と最低でも6時間の睡眠を確保しましょう。
残念ながら、休日の寝だめはニキビ予防になりませんし、美肌にもつながりません
失敗しないためのニキビケア
症状別のニキビケア
ニキビ対策はケアではなく予防が基本
ただでさえニキビは目立ちますし、やっかいなもの。さらに20代以降にできる「大人ニキビ」は、治りにくく跡が残りやすい傾向があります。
ニキビは初期のうちに対処することが肝要ですので、可能であれば速やかに皮膚科の診察を受けるのがベストですが、そうそうすぐに病院へ行くことができないことも…。症状別の基本的なニキビケアについても押さえておきましょう。
1.白ニキビ・黒ニキビ
白ニキビと黒ニキビは、ともに毛穴がふさがって毛穴内部で皮脂が溜まった初期状態のニキビ。はじめは表面に白く浮き出ますが、進行すると黒く変色します。
初期状態とはいえ、ふさがった状態の毛穴は治療薬が浸透しにくい状態になっています。可能であればこの段階で皮膚科に受診するのがベストです。
☆白ニキビ・黒ニキビのケア方法
毛穴をふさぐ角栓を取り除くピーリングが効果的です。
しかし、目立ちにくい顔やあごの周囲(Uゾーン)のニキビは知らぬ間にこの状態から進行が進む恐れがありますので要注意。ニキビ予防は清潔が第一ですので、洗顔時には洗い残しやすすぎ残しがないよう気を付けましょう。
2.赤ニキビ
赤ニキビは毛穴の中でアクネ菌が繁殖し、炎症がはじまってしまった状態。
☆赤ニキビのケア方法
とにかくニキビを刺激しないことが先決です。またコスメは角栓ができにくいノンコメドジェニック表記のものに切り替えましょう。ニキビ跡が残ることを避けるべく、炎症が進行した場合は迷わず皮膚科へ。
3.黄ニキビ
さらに炎症が進み、毛穴の中に膿ができてしまった状態。ニキビ跡が残る可能性が高いので速やかに皮膚科へ向かいましょう。
4.ニキビ跡が残ってしまったら…
ニキビ跡は治しにくいので、美容皮膚科での治療がベストです。しかし、さほど目立たず、自分で治したい場合は以下の2種類のケアも。
・色素が沈着したニキビ跡
茶色くシミ状に残ったニキビ跡は色素沈着。メラニンの生成を抑える、ビタミンC誘導体が配合された美白化粧品を使用して徐々に薄くしていきます。
・陥没状のニキビ跡
多少の凹みなら、週に一度程度のピーリングを繰り返すことにより改善できることも。深く残ってしまった場合はレーザー治療で。
ニキビ予防のポイント
睡眠
体内のホルモンバランスの乱れもニキビの原因ですが、そのためには規則正しい生活が必須です。特に睡眠不足は免疫力の低下につながるためニキビができやすく、また治りにくくなります。
毎日同じ時間帯に、最低でも6時間以上の睡眠時間確保を心掛けましょう。
洗顔
アクネ菌が好む余計な皮脂や油分はニキビの元ですが、古い角質と混ざりあうことで角栓やコメドの元にもなります。毎日の洗顔では余計な油分を落とすことが大事ですので、さっぱりとした洗い心地の洗顔せっけんを使用しましょう。
またせっかくの洗顔もすすぎ残し汚れもニキビの元になります。洗顔時は髪の生え際やフェイスラインなどのUゾーンを意識し、すすぎ残しにも気を付けしましょう。
清潔
体内のホルモンバランスと体の表皮の清潔だけではなく、お肌への刺激となる汚れや雑菌との接触を避けるためには、清潔なタオルや衣類、寝具等を使用しましょう。清潔はニキビ予防の基本であると同時に、繊細なお肌を守るために重要なポイントです。
保湿
保湿はスキンケアの要ですが、適切な保湿ケアは乾燥による古い角質の堆積(角質肥厚)やインナードライなどの過剰な皮脂分泌も防ぎます。
ピーリング
ホルモンバランスが乱れやすい生理前も、黄体ホルモンが皮脂分泌を促すのでニキビができやすいタイミング。古くなった余分な角質を取り除いてくれるピーリングはできれば週に一度は取り入れたいスキンケアですが、面倒でもせめて生理前は取り入れましょう。
またピーリングはターンオーバーを高めたり、真皮層のコラーゲンを増やす嬉しい効果もありますよ。※ピーリングコスメはお肌にやさしいミルクやジェルの洗い流しタイプがおすすめです。
ビタミンC誘導体
美白や過剰な皮脂分泌を抑制するビタミンCは、酸化しやすく水に弱いなどの特徴があります。ビタミンC誘導体は化粧品の製品化と使用時の安定性を高めたもの。ニキビが気になる方はビタミンC誘導体が配合された化粧水がおすすめです。
ノンコメドジェニック
コメドは毛穴に詰まった角栓が小さく膨らんだ状態のもの(白ニキビ・黒ニキビ)。すべてがオイルフリーの製品ばかりではありませんが、ノンコメドジェニックに使用される油分はアクネ菌の栄養分になりにくいものが使用されているため、ニキビができにくい配合になっています。
※ただし、必ずしもお肌にやさしい製品ばかりではありません
油分に配慮したスキンケア
余分な油分は毛穴詰まりの元でアクネ菌の栄養源。ニキビができやすくなるだけではなく、できてしまったニキビを悪化させる要因ですので、ニキビ予防を考慮した場合は特に注意すべきポイント。
ニキビができやすい体質の方はオイルやクリームの使用を控えましょう。しかし、油分を避けるあまりお肌の乾燥を招けばそれもまたニキビができやすくなり逆効果。不足する油分は配合油分の少ない美容液で補うとベストです。
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