スキンケアの基礎知識②お肌のバリア機能
前項「お肌の仕組み」では、外部の刺激からお肌を守る表皮の働きとメカニズムについてご紹介しましたが、この項で再度おさらいと、さらにお肌のバリア機能についてご紹介します。
お肌のバリア機能とは
お肌のバリア機能には、紫外線や埃、たばこの煙など外部の刺激を防ぐ機能と、お肌の内側から湧き出る水分を逃がさずに蓄える機能の2種類があります。
お風呂やプールに長く入りすぎると、水を吸って指などがシワシワになることがありますが、時間の経過とともに過剰な水分が抜けて元通りになりますよね。
また、その過程で体中の水分が抜けていかないのも、この「お肌のバリア機能」によるものです。
とりわけ、お肌の中でも水や埃、たばこの煙などの外部の刺激から直接的にお肌を守るのが表皮最上部の角質層ですが、その他のお肌のバリア機能としては紫外線を跳ね返す顆粒層の「ケラトヒアリン顆粒」や、お肌の炎症を抑制し、鎮静化する有棘層の「ランゲルハンス細胞」という免疫細胞、メラニン色素を生成して真皮層を紫外線から守る「メラノサイト(色素細胞)」などがあります。
角質層のバリア機能
角質層はラップ1枚とほぼ同等な、わずか0.02mmのごく薄い膜ですが、その中では多数の角質細胞がレンガのように積み重なり、また角質細胞を囲むように角質細胞間脂質がしっかりと隙間を埋めて、外部の刺激の侵入を防ぎます。
さらに、角質層の表面には汗や皮脂で構成される「皮脂膜」があり、角質層を守る働きをしていますが、皮脂膜と角質細胞、角質細胞間脂質はそれぞれ保湿成分を有し、水分を保つことでお肌のバリア機能を高めています。
保湿成分が減少するとバリア機能は失われてお肌は乾燥しやすくなり、乾燥したお肌は外部の刺激を受けやすくなるため、かゆみやヒリヒリ感を生じやすい敏感な状態になってしまいます。
お肌のバリア機能とターンオーバー
常に表皮最下層の基底層で作られる「基底細胞」から「ケラチノサイト(角化細胞)」が生まれ、細胞分裂を繰り返しながら上層へ移動する過程で「角質細胞」へ変化(角化)し、役割を終えた角質が垢やフケとなって剥がれ落ちるサイクルが繰り返し形成されることによってお肌のバリア機能は絶えず更新されていますが、このサイクルは「ターンオーバー」と呼ばれ、理想とされるターンオーバーの周期は4週間(28日間)です。
ターンオーバーの周期の乱れは保湿力の低下などを招きます。ターンオーバーは加齢によっても周期が長くなる傾向がありますが、お肌のバリア機能を維持するためにも、日々のスキンケアで理想のターンオーバー周期をキープすることはとても大切です。
お肌の主な保湿成分
お肌のバリア機能の強さを左右する保湿成分ですが、主な保湿成分には以下のものがあります。
・皮脂膜・・・スクワランやトリグリセリド(遊離脂肪酸、グリセリン)など
・角質内の天然保湿因子(NMF)・・・アミノ酸、尿素など
・角質細胞間脂質・・・セラミドなど
・真皮・・・コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン
この中でも、保湿力ナンバーワンといわれているのがセラミドですが、保湿成分の比較については次ページ、スキンケアの基礎知識③保湿についてをご覧ください。
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