保湿について

美容速報:保湿について

スキンケアの基礎知識③保湿について

保湿とは

スキンケアにおける保湿とは、お肌のうるおいを保つこと。そして保湿ケアとは、お肌に不足する保湿成分を補うことです。

しかし残念ながら、いくらお肌に直接「水分」を与えても、お肌のバリア機能によってその水分はほとんど浸透せず、お肌に長く留まることはありません。

つまり、「お肌に必要な保湿成分を補うこと」がスキンケアでの保湿ということになります。

保湿はスキンケアの要

お肌の潤いが不足すると、肌本来のバリア機能が低下してしまい、あらゆるお肌トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。そして、お肌の乾燥は放置すればするほどトラブルが深刻化しやすいもの。

健康なお肌の場合、角層には約20~30%の水分が含まれていますが、この水分が20%以下になるとお肌の水分が不足した「乾燥肌」の状態になります。

特に空気が乾燥する冬場など、空気中の湿度が50%を下回るとお肌の水分は急激に蒸発しやすくなります。肌がつっぱるなど、お肌の乾燥を感じたときには既に、お肌の水分量が10%以下になっている場合も。

空気が乾燥する季節には、十分に保湿ケアをするとともに、常に室内の湿度が最低でも50%を下回らないよう心がけましょう。

※参考:ウェザーニュース「専門医が教える!冬の肌に最適な湿度とは?」

また、お肌の保湿機能は加齢とともに低下してしまいますが、角質層内の保湿物質がきちんと働いていれば、たとえ空気中の湿度が0%でもお肌の水分は蒸発しません。

お肌が乾燥する前に、そしてお肌の乾燥を感じたらすぐに保湿を。健康なお肌を保つためにはお肌のタイプを問わず、保湿は常に意識したいスキンケアの要なのです。

こんな間違った保湿をしていませんか?

①肌のカサつきを感じたら、化粧水をたっぷりつける

②シートマスクを使い、化粧水を肌にしっかり浸透させる

③化粧水の蒸発防止として、乳液でフタをする

④油性肌なので保湿は気にしない

⑤お肌の潤いのため、洗顔料はしっとりタイプを使用

※答えはこちら>>「よくある保湿ケアの間違い」

化粧水の保湿力について

お肌に直接つける水分として、化粧水はお肌にうるおいを与えてくれそうなイメージがある方も多いのですが、化粧品の大半は水。水自体は保湿成分を持ちませんので、保湿成分が配合されていない場合、化粧水だけでは十分な保湿効果はありません。(>>毎日のスキンケア④化粧水のページへ)

代表的な保湿成分タイプ

美容速報:保湿成分の調理パン的イメージ

①水分をはさみ込むタイプ

サンドイッチ状に連なってしっかりと水をはさみ込む、水分保持力の最も優れた性質の保湿成分です。このタイプの代表は保湿成分中最強の保水成分を持つと言われている「セラミド」です。

セラミド

スフィンゴ脂質の一部(骨格と細胞膜部分)であり、角質細胞間脂質の40%を占める「セラミド」は、湿度変化にも左右されず強力に水分をキープする最強の保湿物質です。

セラミド
セラミドは種類も多いですし、種類ごとに効能も一様ではなく様々。その強力な保湿力や加齢とともに減少するセラミドの特性を理解して、「最強の保湿成分」を毎日のスキンケアに取り入れましょう。

スフィンゴ脂質

ここではセラミド以外の角質細胞間脂質のこと。水分をはさみ込む性質は同じですが、水分補助力はセラミドに劣ります。

・その他 ステアリン酸コレステロール、水素添加大豆レシチンなど

②水分を抱え込むタイプ

このタイプの保湿成分は、ハンバーガーのように個々に水分を抱きかかえるイメージ。

水分保持力は高いものの、①水分をはさみ込むタイプには劣ります。

真皮内にある成分がよく使用されますが、これらの成分はスキンケア時に使用しても真皮まで浸透・吸収はされず、角質内で保湿をサポートします。

こちらも湿度の低下時にも水分を抱え込んだままキープしてくれる成分で、化粧品など様々なケア用品にもよく使用されています。

ヒアルロン酸

真皮内の基質に含まれるゼリー状の物質。

コラーゲン

真皮内で網目を構成する繊維質。真皮内では肌の弾力を保つ働きを持っていますが、化粧品などに配合される場合、保湿成分になります。

エラスチン

本来は真皮内でコラーゲンの補助的な役割をする繊維状のタンパク質。コラーゲン同様に保湿力に優れるため、保湿成分として配合されます。

ヘパリン類似物質

血液中に存在する、水分含有力を持った「ヘパリン」に似た成分を保湿成分として応用したもの。医薬品などにも使用されています。

③水分をつかむタイプ

イメージとしてはホットドッグのように水分をつかむように水分をつかむタイプです。

水分保持力はあるものの、冬場など湿度が低下するときには保湿力は低下してしまいます。尿素を含む天然保湿因子(NMF)はこのタイプに分類されます。

天然保湿因子

・尿素やアミノ酸、PCA(ピロリドンカルボン酸)など、約20種類の成分で構成される、角質細胞内に含まれる水溶性の成分です。さらっとした使用感が好まれることから、よく化粧水にも使用されます。

・PG(プロビレングリコール)、グリセリン・1.3BG(ブチレングリコール) 吸湿性に優れた多価アルコール。化粧品によく使用されますが、保湿力はあまり強くありません。

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